鳥マガHome > 鳥取グルメ > 鳥取の味覚[特産&食材]/白ネギ

ネギとは、ユリ科ネギ属の食用植物で、原産地は中国西部または中央アジアであるといわれています。はたしていつ頃日本に伝わってきたのかについては定かになっていませんが、奈良時代に成立した日本最古の歴史書である日本書紀にはネギについての記載があるとされています。恐らく当時は漢方薬のような扱いとしてネギが存在していたのではないかと思います。すなわち庶民の口にはなかなか届かない高価なものであったのではないでしょうか?
基本的に私達がネギと呼んでいるものは、栽培方法の違いによって”見た目”と”呼ばれ方”と”味”の異なるネギが誕生します。
古くには、鳥取県も含まれる西日本では陽に当てて作った若く細いネギ(青ネギ、葉葱)が好まれおり栽培されていました。そして東日本では成長とともに土を盛上げ陽に当てないようにして作った風味が強く太い白ネギ(長葱、根深葱)が好まれる傾向がありました。このため、単に「ネギ」と言う場合、西日本では青ネギのことを指すのであって白ネギは区別されて呼ばれています。逆に東日本ではネギとは白ネギのことであるため、青ネギについては「ワケギ」「アサツキ」「万能ネギ」「九条ネギ」などとして呼ばれます。よって白ネギは昔から鳥取県の特産であったわけではなく、比較的近年になって栽培が盛んになったものだということがわかります。
また関東で青ネギの種類を細かく分類して呼ぼうとする場合、より小さくて細いネギを「ワケギ」「アサツキ」と呼んでいますがこれは大きな認識の誤りです。そもそもネギとワケギ・アサツキは種が異なっているので間違った呼び名であり間違った知識です。それが関東では容認されているのが不思議でなりません。
こんなことだから、例えば「ひらたけ」が「しめじ」と呼ばれ「ぶなしめじ」が「ほんしめじ」と呼ばれるような訳のわからんことになるのではないでしょうか?業者にとっては東京という巨大マーケットに卸すため苦肉の策で作物の名称をワンランク上げたつもりなのでしょうが、これは養殖魚を天然魚と偽る”食品偽装”と同じようなことなのでは?
「ひらたけ」は「ひらたけ」でいいじゃないか!と思う私です。……すいません話しがそれました。
かつて鳥取県のねぎ栽培は西日本で好まれていた「青ネギ」が主流でした。しかしそれは今の白ネギ栽培ほど大規模なものでもありませんでした。
鳥取県で白ネギの栽培が始まったのは明治の中ごろだといわれています。このころ全国的に作物の品種交流が盛んになり鳥取県にも白ネギの栽培が導入されたようです。ただしこの時も今ほど白ネギの栽培が行われたわけではありません。
鳥取県において白ネギの栽培の転機が訪れたのは1929年の世界恐慌のころにあるようです。世界的な不況により鳥取県西部の弓浜地区の主要作物であった繭の価格が暴落したことで桑園からの転換作物として栽培面積が拡大したといわれています。つまり言い換えれば不景気により仕方なく白ネギ栽培を始めた農家も多かったことであろうと思います。
さらに昭和45年から始まった米の生産調整の転作品目として白ネギ栽培が全県に広がり西日本を代表する白ネギの産地となります。
そして今日、白ネギ栽培は残念ながら順風満帆とはいかないようで、中国産食品に対する安全性が叫ばれてもなお中国産白ねぎとの競合による価格低下など厳しい状況に置かれているのが現状のようです。また栽培農家の高齢化による生産高の減少と後継者の問題については大きくも早急に解決を求められる問題となっているのではないのでしょうか?